俺学

・名古屋議定書

名古屋議定書は、
生物多様性条約に基づき、
2010年10月29日に
愛知県名古屋市の名古屋国際会議場で開催された
第10回締約国会議(COP10)にて採択された議定書である。

当議定書は、
2011年2月2日から2012年2月1日まで、
ニューヨークの国連本部において署名のために開放され、
50カ国以上の批准から90日経過後に発効する。
(2011年2月時点では未発効)

過去最多の193の国と地域が参加。

COP10には生物多様性という意味はなく、
10回目のカンファレンスオブザパーティーという意味だけで、
訳せば、第10回締約国会議という意味でしかない。

で、
そのテーマが生物多様性というだけのこと。

だからテーマによって温暖化だとか色々ある。

開催地が名古屋で議長国が日本。

生物多様性の保全と、
生物多様性を巡る
先進国と途上国の対立を解消しましょうというのを
名古屋で決める。これを名古屋議定書にしましょうね、と。

世界の生物
3000万~4000万種あると予想されている。
人間が把握しているのは、
170万種~190万種。

今、1日に100種類ほどの生物が絶滅しているという。
1日に100種類という事は1時間に4種類程の生物が
世界中のどこかで絶滅している。
らしい。

これを保全するのが、
この会議の目的。

保全と保護は違う。

保護は守る事。
保全とは利用しながら今後も利用できるように守っていきましょうって事。

過去300年で、
世界の森林の40%が喪失。

過去40年で脊椎動物が30%が減った。

過去30年で、
サンゴ礁の30%が消失。

原因は、
乱獲、開発、汚染、気候変動、外来種などの人間の活動が原因だ。

生物の大絶滅が進行中。

生物は資源でもある。
動物、植物、微生物。

例えば、
衣服、食品、薬品、化学、科学技術など。

元々は香辛料の八角。
シキミ酸からインフルエンザ治療薬のタミフルが作られる。

キナの木の樹皮からマラリア治療薬キニーネが作られたり、
タイヘイヨウイチイの樹皮から抗がん剤タキソールが作られたりする。

生物資源の利益をどうやって配分するかを決める。

そこで
先進国と途上国との対立がある。

先進国は途上国の生物や情報をもとに、
薬などを開発する。

それが売れれば莫大な利益になる。

その利益を途上国にも配分するべきだという主張がある。

そこで対立の構図がある。

ちなみに2009年のタミフルの売り上げは世界で、
2500億円超だという。

一部では途上国から生物を禁輸する動きもある。
そうなると、
薬品開発等に支障が生じる。

で、
先進国は
その決まりが発行されたら、
そこから配分を適正にやっていきましょうと、
一方の途上国は、
過去の資源も遡って、配分するべきだ、と。
そこでの対立もある。

また、
タミフルを例にするが、
先進国はタミフルを開発しました。
その発端は八角にあった。
でも、
そこからシキミ酸を抽出した上で、
タミフルを開発した。

先進国からしてみれば、
タミフル開発に使ったのはシキミ酸であると、
途上国にしてみれば、
いやいや、
もとは八角から作ったんだから、
利益を配分するべきだ、と。

また、
そういう開発品の中には、
原料を使わずとも、
現在では化学合成から出来るものもある。

そういったものでも、
最初のきっかけは途上国の資源や情報がもたらしたものであるから、
途上国にも配分すべきだという意見も、ある。

配分利益を抑えたい先進国と、
配分利益を出来るだけ受け取りたい原産国の対立の構図がある。

ワシントン条約(利用不可)は
絶滅危惧種などを
絶滅しないように個別に保護していきましょうってのに対して、
生物多様性条約(利用可)は
地球全体の生物を広く保全していきましょうってものだ。

このまま放っておくと、
20年くらいの間に、
少なくとも10%~15%の生物が絶滅してしまうだろうと言われている。
また、
このままだと
2040年にはサンゴ礁が世界中の海から無くなってしまうのではないか、
という予測もある。

(参考:知りたがり)

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