俺学

・失効農薬

(JA横浜 営農情報2010年12月号より抜粋等)

平成22年l0月末における農薬の有効登録件数は約450O件もあります。

これだけ多くの農薬がありながら、この上なぜ新しい農薬が必要なのでしょうか。

それは、
病害虫が非常な速さで世代交代を繰り返し、
農薬に強いものが生き残ってくるからです。
それに加え、
かつては効果を中心に開発されてきた農薬が、
毒性が低く、
周辺環境にも害のないよう、
安全性の高いものに進化しているからです。

求められる農薬とはどのようなものなのか、専門家は以下のように示しています。

①目的の効果があり、少量で効き、かつ薬害がない

②高等動物に毒性が弱い

③選択毒性があり、薬剤抵抗性がつきにくく、残効性、残留性が適当である

④環境にやさしい

⑤安価である

現在登録されている農薬は、上記の条件にかなったものが主流です。

農薬の開発には、一般的には10年以上かかります。
費用も1剤の開発に4O億円から50億円はかかるといわれています。
そのため、
ある程度の販売額が継続的に見込める農薬でなければ、
開発が難しくなってきています。

農薬は、
農薬取締法に基づき「登録」、
つまり行政庁(農林水産大臣)の承諾を受けなければ、
日本国内では製造、販売、使用ができません。

登録の有効期間は3年です。

登録を更新するかどうかは、農薬メーカーの都合によります。

①売れ行きが悪い、
②より性能のよい新製品に切り替えたい、
などの経済的な理由で自発的に登録を取り下げるか、
再登録をしない等の場合は、
「失効農薬」となります。

これまでに農薬登録されたのは約2万1千件、
そのうち約80%が失効しています。

失効農薬は、
安全性に問題はないので使用できますが、
基本的に有効期限の切れた農薬は使用しないように努めることが、
農薬取締法で求められています。

ただし、
失効農薬であっても、
販売禁止農薬に指定されることがあります。
神奈川県内では、
保健所の検査で、
ケルセンを使った違反が見つかりました。

ケルセンは、
平成16年3月に失効していますが、
22年4月に販売禁止農薬に指定されています。

また、
安全性の問題で、
法に基づき国が登録を取り消し、
製造・販売,使用を禁止する場合もあります。
この場合は、絶対に該当する農薬を使用してはいけません。

          
・無登録農薬
外国で使われている農薬でも、
日本で登録を受けていないものは、
有効成分が同じでも無登録農薬になります。
製造・販売はもとより、
使用しても農薬取締法の罰則対象になります。

・販売禁止農薬(農薬取締法による使用禁止)
農薬登録を受けたものでも、
安全性に問題があることが判明した農薬は、
法により販売禁止農薬指定されます。
現在、26成分が指定されています。
 

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