俺学

・障害者の作業工賃

(バリバラより)

作業所ってどんなところ?

作業所は
一般の会社などで働く事が難しい
障害のある人達が働く福祉施設の事です。
規模や形態はさまざま。
パンの製造や軽作業などです。

今回、
主に取り上げるのは、
障害者自立支援法でいう、
就労継続支援B型事業所、作業所の過半数を占めます。

作業例

作業:軽作業
工賃:11000円/月

作業:配食サービス
工賃:12550円/月

作業:フロア接客
工賃:20000円/月

作業:軽作業
工賃:22000円/月

作業:豆腐製造
工賃:平均59000円/月

工賃はなぜ安いのか?

1、内職は売り上げが上がらないため
2、必要経費を引いた額を利用者全員で割るため

例えば、
2円×300個×20日=12000円
経費2000円を引くと、
月額10000円となる。

作業所で10万円を稼ぐとすれば、
今よりも10倍頑張らないと、難しい。

最低賃金
正社員・アルバイトにかかわらず
労働者に支払わなければならない最低額の賃金のこと。

例えば、
兵庫県の最低賃金は739円/時
作業所で働く、ある障害者の賃金は83円/時
となる。

どうして、こんなにも差があるのか?

兵庫県庁の障害者支援課の職員の方の回答は、

労働者ではなく、障害者のための訓練という意味合いが強いので、
最低賃金というものと比べてしまうのは難しい。というような要旨。

じゃあ、
そんなに安い工賃で、どうやって生活をしているのか。

一つは、
家族に世話してもらっている人もいる。

また、
一人暮らしをしている人は、
障害者年金を受給していて、
安い人で6万6千円くらいで、
それで、生活が出来ない場合は、
生活保護を受けて、生活をしているようです。

なので、
工賃が安かったとしても、
家族の支えや、
障害者年金や生活保護などの社会福祉で
生活が成り立ってしまうようです。

だから、工賃は安くても平気じゃん。というのではなく、
働いて自立して行こうというインセンティブがあっても、
よいのではと僕は思いました。

しかし、
豆腐作りや洗車など様々な職業で働く障害者の方々を見て、
インセンティブを付けて、障害者間に競争原理を持ち込むのは、
かえって、障害者の方々に酷なのではと、僕は思ってしまいました。

競争原理が働けば、
その分、作業工賃が増えるかもしれませんが、
障害者間での優劣が生じますし、
そこに新たな問題が発生してしまうと思いますし、
インセンティブを付けるという事は、
逆に言えば、明確ではっきりした基準がなければ、
低賃金で働かせる続けてしまう事だって可能なわけです。

障害者の方に作業をしてもらうという事は、容易なことではありません。

一つの作業を覚えてもらうのに、
何年もかかる事だってあります。

作業をしてもらっている側は、
出来るから使う、出来ないから使う。ってわけじゃなく、
分け隔てなく、作業をお願いしていると思います。

インセンティブを前提に考えてしまえば、
逆に、ややこしくしてしまう気もします。

もちろん、
その上で、作業内容によって、
工賃に差があっても良いと思います。

どういう仕組みがベストなのかを定めるのは難しいですが、
少なくとも、障害者の方が、その作業にやりがいを感じ、
(健常者と全く同じ対価は無理だろうけども)妥当な対価を
受け取る事ができるような仕組みになればなと思います。

バリバラを見て、
今の作業に不満に感じている障害者の方も居れば、
楽しく誇りを持って作業されているように見受けられる方もいました。
 

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