医療、社会保障

  ・日本の医療機器業界を活性化させる

日本の先端治療は今、
輸入される最新の医療器具に頼っているのが現状だ。

輸入された治療器具がなければ
治療できないってのが現状である。

約2兆円規模である日本の医療機器市場。

一部の診断用機器を除く治療用機器の約8割が輸入品だ。
(注射器、カテーテル、ペースメーカーなど)

増え続ける医療費が海外に流出しているとも言える。

出遅れている日本のメーカーだが、
中小企業のものづくり力を活かす事で成長の可能性はある。

日本の中小企業は
細かいニーズに対応できる高い技術力を持っているので、
小さな医療機器を作るには
中小企業にチャンスがある。

糖尿病治療のインシュリン注射などで重宝されている、
世界で最も細い直径0,2ミリの「痛くない注射針」は
東京の小さな町工場から生まれた。

企画をしたテルモは、
その開発を東京都墨田区の町工場にある、
社員6名で
自動車や家電部品の金属加工を手掛ける岡野工業に依頼した。

中小企業の職人技があったからこそ、
「痛くない注射針」が生まれたのだ。

しかし、
課題としては、生産量にあった。

そこで、
テルモは自社工場に機械を導入、量産化を検討、
世界のマーケットを視野に入れている。

医療機器は
日本の職人技がまだまだ活かせる分野で、
中小企業の力が鍵を握るが、
新規参入には大きな壁もある。

それは、
事故リスク、
研究開発や営業への投資、
研究開発の時間などだ。
収益を上げる以外にも、多くの目配りが必要となる。

日本の自動車産業を支えてきた山科精器は、
新たに医療分野に参入しようと試みている。

今まで培ってきた細かな技術を
地元の大学と連携で研究開発に取り組んでいる。

しかし、
開発過程で壁にぶち当たってしまった。

医療用に使うと言うと、
メーカーが嫌がって、材料を供給してくれないのだ。

日本医療機材工業会アンケート調査によると、
約9割の企業が、
訴訟への懸念から材料・部品供給を断られたと回答している。

医療機器への参入は、
事故リスクという高い障壁がある。

そういった万が一の事故に対処する
保険制度なども充実させる必要がある。

中小企業が1社で背負うにはリスクが大き過ぎるのだ。

また、
医療機器承認までの期間が長いという壁もある。

日本は申請後、
承認が下りるまでの期間が欧米より19カ月も長い。

もっと許認可のスピードをアップするべきだ。

医療機器業界参入の壁を低くすることが
日本の大きな力になる。

日本の医療機器産業を成長させる鍵は、
中小企業が持つものづくり力。

そして
企業がリスクを減らせる環境の整備も必要だ。

アメリカでは、
医療機器産業に特化した損害保険会社っていうのがあって、
法律などでも部材を供給する側の企業が守られていて、
責任を問われないようになっている。

日本は現状、そうなっていないので、
部材を作っているメーカーが訴訟リスクを懸念して、
躊躇してしまっている現実ってのはある。

日米欧のメーカーで構成する医療機器産業連合会ってのが
日本にあって、
そこが日本政府に対して、
医療薬が
中々開発されないってのだけでなく、
医療機器が
中々開発されていかないという問題点についての改善の申し入れをしている。

まず、
先ほど述べた訴訟リスクによる部材供給が
上手くいっていない事。

次に、
未承認機器による臨床研究がダメとされている。

これは、
お医者さん自身が
現場で医療機器を開発するのは良いが、
企業が製品化を目的として
開発段階の機器を
現場で使うのは認められていないのだ。

つまり、
企業が主導して医療機器を開発するってのが中々できない。

企業とお医者さんが一緒になって
製品を開発するって事も
中々できず、製品開発が進みにくい。

3つ目に、
薬もそうだが、
医療機器も承認期間が長すぎる。

なので、
日本の医療機器を成長産業として、
活性化して行くためには、
訴訟リスクを回避するべく、
特化した保険制度を充実させ、
企業が、
積極的に医療機器を開発できるように規制緩和をして、
医療機器や薬の承認のスピードを著しく上げる必要がある。

日本の医療機器を国産化する事で、
内需力をアップさせて海外に日本国内のお金を流出する事を防ぎ、
量産化させて世界展開しようものならば逆に外貨を稼ぐ事も可能になるのだ。

ぜひ日本の医療機器をもっと活性化させていきたい。

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