科学技術、エネルギー資源

・日本独自の準天頂衛星を7基打ち上げる

2010年9月11日、
日本版測位衛星(準天頂衛星)「みちびき」の打ち上げに
成功した。

今回の打ち上げ成功により、
カーナビゲーションシステムなどの位置精度を、
10倍以上に高められる日本版全地球測位システム(GPS)の
構築に向け一歩を踏み出した。

例えば、
今までだと
カーナビで高速道路を走っているのに、
一般道路を走ってるという表示がされたり、
一般道路を走っているのに、
高速道路を走っている表示になったりする事があった。

何故かというと、
今、日本が利用しているGPSは、
アメリカのために作られているものであるから、
日本用では無く、
そのため、精度が悪くなる事があるのだ。

で、
もっと精度を上げようという事で、
今回、日本独自のGPSを打ち上げたのだ。

今回打ち上げたGPS衛星を使うと、
子供に情報端末を持たせて、
誤差10メートルの範囲で居場所を特定できたり、
無人農機を使い、
10センチの高精度で種まきや収穫作業ができたり、
史跡の前に立つと
情報端末に史跡の説明など観光情報を表示できたり、
GPS電波が届きにくい森林区域の測位ができたりする。

ただ、
今回打ち上げた「みちびき」は、
日本上空をカバーできるのは、
1日8時間が限度で、
高精度の位置情報サービスを24時間提供するには、
あと3基以上必要となる。

また、
現在の日本はアメリカのGPS衛星に依存しており、
アメリカのGPS衛星に依存しない独自システムを構築するには、
合計で7基必要なのだ。

日本独自の全地球測位システム(GPS)構築のため、
残り6基の準天頂衛星を打ち上げる。

衛星1基の製造・打ち上げ費用は約400億円が必要で、
残り6基の準天頂衛星を打ち上げるには、
2400億円の予算が必要だ。

思いやり予算に2000億円くらい使ってるわけだから、
無理な予算ではない。

日本版全地球測位システムを構築して、
海外などに商用利用等で売り込めば、採算は取れる。

元々GPS衛星は
アメリカが軍事用に打ち上げたものであり、
現在は、それを民間に開放しているだけであって、
アメリカが安全保障上の理由で、
GPSの精度を意図的に落としていた事も過去にはあったので、
アメリカ一極依存を避けるために、
EUやロシアなども独自の測位システムに力を注いでいるので、
その中で、
日本がそこで一歩抜け出すためには、
積極的な手を打って出ないと中途半端な結果となり、
「みちびき」が水泡に帰す事にもなりかねない。

日本の安全保障や、
日本の測位システムの商業的優位性を保つためにも、
いち早く、残り6基の準天頂衛星の打ち上げが必要だ。

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