食、第一次産業、環境

・ネオニコチノイド系農薬を禁止する

ネオニコチノイドは、
クロロニコチニル系殺虫剤の総称。

急性毒性は低いとされているが、
昆虫に選択的に毒性を発揮し、
人など哺乳類には比較的毒性が低いとされている。

一般家庭のガーデニング用から農業用、
シロアリ駆除、
ペットのシラミ・ノミ取り、
ゴキブリ駆除、
スプレー殺虫剤、
新築住宅の化学建材など広範囲に使用されている。

現在、農薬として
世界100カ国以上で販売されている。

従来の殺虫剤と異なり、
直接虫を殺さず、
中枢神経を狂わせる効果を持っている。

そのためネオニコチノイドを微量でも嗅いだミツバチは、
方向感覚、運動感覚などを冒され死滅する。

ミツバチの奇跡ともいえる帰巣本能も冒され、野辺に堕ちて死ぬ。

1990年代初めから、
世界各地で
ミツバチの大量死・大量失踪が報告され、
すでに2007年春までに
北半球から4分の1のハチが消えたとされている。

なお、
ミツバチの大量失踪は
農薬などによるものではないとの説もある。

ミツバチ大量死は、
2010年現在、
カナダやアメリカ、
中国、
台湾、
インド、
ウルグアイ、
ブラジル、
オーストラリア、
そして
日本など、
全世界的な広がりをみせている。

EU諸国では、
ミツバチ大量死事件を受けて、
その主要原因物質と考えられるネオニコチノイド系農薬を
使用禁止にするなどの対策が講じられている。


フランスの対応

1994年に
イミダクロプリドによる種子処理
(種子のコーティング)が導入された後、
ミツバチ大量死事件が発生していた。

そこで、
1999年1月、
予防措置として、
イミダクロプリドによる
ヒマワリ種子処理を全国的に一時停止し、
原因究明調査に着手。

2002年、
ミツバチ全滅事件発生。

2004年に農業省は、
イミダクロプリドを活性成分とする
ネオニコチノイド系殺虫剤ゴーシュの許可を取り消し、
イミダクロプリドによるトウモロコシの種子処理も禁止。

2006年4月、
最高裁の判決を受け、
ネオニコチノイド系農薬ゴーシュ
(イミダクロプリド)を正式に使用禁止。


オランダの対応

2000年、
イミダクロプリドを開放系栽培での使用を禁止。


デンマークの対応

2000年、
イミダクロプリドの販売禁止。


ドイツの対応  

2008年、
ドイツ連邦消費者保護・安全局(BVL)は、
イミダクロプリドとクロチアニジンの認可を取り消し、
ネオニコチノイド系農薬7種類を販売禁止。

イタリアの対応

2008年、
農水省が
イミダクロプリドやクロチアニジンによる種子処理を禁止。   


アメリカの対応

ネオニコチノイド系農薬のミツバチに対する毒性が
環境保護庁の農薬評価書に記載されながら、
2010年現在、
規制に踏み切れず、
農薬企業との癒着構造で身動きの取れない政府の事情がある。


日本の対応

2005年頃からミツバチ大量死事件が社会問題化。

2009年春、全国的にミツバチ大量死被害報道が相次ぐ。

2010年現在、
不足したミツバチをどう間に合わせるかといった、
きわめて近視眼的な対応にとどまっている。

ネオニコチノイド系農薬の危険性を問題としていないだけでなく、
ミツバチ不足問題が今後引き起こす可能性がある食糧問題や、
農業の在り方を見直す対策には、
一切向き合おうとしていない。

 

これまでの農薬は
せいぜい半径数百m範囲に拡散するだけであった。

ところが、
ネオニコチノイドは通常散布で
半径4kmにまで毒霧となって広がり
ミツバチの大量死を引き起こす。

空中ヘリで散布すると、もっと遠くへ飛ぶ。

ネオニコチノイドは
無臭なのでミツバチは警戒せず、
汚染された葉の水滴や田んぼの水などを飲む。

すると、
神経が興奮状態で麻痺し、
視野狭窄で巣の方向が分からなくなる。

ネオニコチノイド系農薬の容器には
「注意書き」として
「ミツバチやカイコを飼っている場所では使用しないこと」と
記載されている。

しかし、
4km四方でミツバチやカイコを飼っているかどうかを
調べて散布することは、実質不可能である。

とりわけ養蜂家は、
日々咲き誇る花を追って日本列島を旅する。

彼らの所在を常に把握することは不可能である。

スペインの研究者による実態調査では、
すでにハウス栽培野菜は
100%ネオニコチノイド系農薬が残留している。
また、
トマト、
ナス、
ニンジン、
ジャガイモなど市販野菜の2割からも検出されている。

ネオニコチノイドは
水溶性なので土壌深く汚染し、蓄積する。

そこから作物の根を通じて吸収される。
だから他の農薬と異なり、洗っても落ちない。

日本から輸出したネオニコチノイド系農薬が
中国農場で大量散布され、
それが
ウーロン茶に残留して
日本に戻っている。

日本茶も
高濃度で汚染が進んでいる。

水溶性の高いネオニコチノイドは土壌も汚染する。

最大の被害を受けるのは
ミミズで
0.05ppm(ppm:100万分の1)濃度で
遺伝子(DNA)損傷を受け、死滅していく。

ミミズの死滅は、
肥沃な大地の消滅を意味する。

農業関係者によれば、
すでに土壌は
高濃度に汚染されていて、
それが
水や野菜、果物などを通じて体内に侵入し、
脳に蓄積しているとの事だ。

ネオニコチノイドの神経毒は、
ミツバチだけでなく、
昆虫、
地下生物、
水生動物、
鳥類、
哺乳類、
そして人類をも襲う。


ネオニコチノイド系農薬は
人の健康にも影響を及ぼすことが懸念されている。

まず、
アセタミプリド、
イミダクロプリド、
チアクロプリドについては、
毒物・劇物取締法の「劇物」に指定されており、
急性毒性が強いといえる。

これらの薬剤は、
シロアリ駆除剤やガーデニング、
ペットのノミとりなど日用生活用品としても使用されているので、
取扱いを間違えると健康被害が発生しかねない。

また、
ネオニコチノイド系農薬の散布や
残留農作物の摂取による人体被害も報告されている。

農薬の神経毒性研究の第一人者である群馬県前橋市の医師らは、
松枯れ防除のためのアセタミプリド散布後に、
それが原因と思われる、
胸部症状、
頭痛、
吐き気、
めまい、
もの忘れ、
四肢脱力等の自覚症状、
頻脈、
徐脈等の心電図異常がみられる患者が
相次いで訪れるようになったことを報告している。

農薬散布時期以外でも、
茶、果物などアセタミプリドが残留している食品摂取により、
上記のような症状を訴える患者が来院しており、
その医師の報告では、
このような患者は
年間1500人~2000人にも及んでいるとのこと。

さらに、
アセチルコリンは、
昆虫のみならず、
ヒトでも神経伝達物質として
自律神経系、
神経筋接合部、
中枢神経系において作用していることから、
ネオニコチノイド系農薬のヒトの脳への影響、
とりわけ胎児・小児など脆弱な発達脳への影響が懸念されている。

医師いわく、
ネオニコチノイドは、
人間の行動を抑制する神経に
悪影響を与える可能性があり、
犯罪につながる精神毒性なので
早急に対策を講じるべきと
強調する。

よって、
結論から言うと、
早急に、
日本も
ネオニコチノイド系の農薬の使用を禁止するべきだ。
または、
最低限、EUの残留基準程度に規制するべきだ。

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