科学技術、エネルギー資源
・ヨウ素の産出国としてヨウ素の高付加価値商品の開発や特許取得を推進させる
日本は、
ヨウ素の生産量が、
チリに続いて世界で2番目だ。
生産量、年間約9000トン。
世界全体の3割以上を占めている。
埋蔵量としては
500年分はあると言われている。
ヨウ素の国内生産量8割は千葉県である。
千葉県では天然ガスが自然発生していて、
天然ガスと共に含まれているのがヨウ素だ。
ヨウ素は
殺菌消毒効果があるので
医薬品に多く使われている。
ヨウ素の使い道の比率を見てみると、
レントゲンの造影剤24%
殺菌防かび剤17%、
工業用触媒16%、
医薬品11%、
液晶関連10%、
飼料添加物7%、
その他だ。
ここにきて、
液晶関連でのヨウ素の需要が伸びてきている。
液晶パネルに使う偏光板には
ヨウ素が絶対欠かせないのだ。
なので年々、
ヨウ素の重要性が増してきている。
日本ヨード工業会調べの、
2009年の日本のヨウ素生産量は8460トンだ。
そのうち、輸出量は4790トン。
半分以上のヨウ素が
欧州を中心に、海外へ輸出されている。
ここに課題があるのだ。
ヨウ素関連の特許は
ほとんど欧米が持っている。
つまりだ、
ヨウ素産出国の日本が
原料を海外に売って、
海外から高付加価値のものを買うという、
不経済なことをやってしまっている。
日本の強みとして、加工貿易立国であるにもかかわらずだ。
例えば、
ヨウ素の使い道でもっとも多いレントゲン造影剤の場合、
日本はその特許を持っていないため、
原料のヨウ素を欧州へ輸出して、
欧州がそのヨウ素を使って作った造影剤を、
日本は輸入しているのだ。
もちろん、
ヨーロッパからライセンス料を払って、
日本でも造影剤を作ってはいる。
高付加価値商品を海外から輸入するにしても、
ライセンス料を支払って日本で高付加価値商品を作るにしても、
いずれにしろ、
日本にとって、
経済的でないのは間違いない。
せっかく日本は珍しくも産出国なんだから、ヨウ素の。
産出国だからとそこで満足せず、
ヨウ素使った高付加価値商品を日本が作ったり、
そういった技術の特許を取得したりして、
それを海外に売れば、より経済的に大きくプラスになる。
現段階でも、
免疫力の弱いアトピー性皮膚炎の人など向けに、
呼吸する土の珪藻土と殺菌作用のあるヨウ素を組み合わせた
壁材を開発したり、
ヨウ素を使う事で低コストで僅かな光でも発電する、
携帯電話向けなどの太陽電池が開発されたりしている。
こういった流れをもっと推進する必要がある。
あまり知られていない、
世界第二位の生産量を誇る日本のヨウ素。
そのヨウ素を使った、
技術の特許取得や高付加価値商品を開発する機運を、
日本全体で盛り上げていきたい。
ちなみにだが、
ヨウ素には放射能汚染の防護策にもなり、
日本が核攻撃などされた場合、
安定ヨウ素の服用を指示されることもあるのだ。