食、第一次産業、環境

・日本の森林のナラ枯れを阻止する

今、日本の全国の山では、各地でナラ枯れが起きている。

遠目から見ると、
緑一色の山が
紅葉のシーズンでもないのに、
まばらに赤茶けている。

これらの現象は、
通称、ナラ枯れと呼ばれており、
ナラ類の木が枯れるので
ナラ枯れという名がついている。

京都の東山、北山、西山のナラ枯れ被害は、
年々、増えている。

2008年、1000本。

2009年、4000本。

2010年、20000本。

という具合で、
2008年と比較すると、
2010年には
20倍と激増している。

ナラ枯れしたまま、放置していると、
土砂災害や景観が心配になってくる。

ナラ枯れの原因は、
数千、数万ものカシノナガキクイムシが
木に穴をあけて入って、
木の中で産卵する際に菌も植え付けて、
木が水を吸えなくなり、枯れてしまうのだ。

近年、
これほどハイペースに被害が拡大している背景としては、
人が山に入らなくなり、
太い木が山に放置されていて、
そういう太い木は、
カシノナガキクイムシが非常に好む環境で、
生息しやすい条件として整ってしまっているようだ。

これを未然に防ぐためには、
人が山を手入れする必要がある。

一度、
ナラ枯れをしてしまった木は、
人の手で一本一本処理していくしかない。

放置していれば、
被害は、どんどん拡大していってしまう。

処理方法としては、
木に数千数万とあいている、
カシノナガキクイムシが木に侵入した穴を、
カシノナガキクイムシが外に出てこられないように、
一つ一つ根気強く塞ぐ方法があるが、大変だ。

これよりも効率的な方法としては、
木を切り倒して、細切れにして、
それにカバーを掛けて、薬漬けにして
虫を殺す方法だ。

しかし、
だとしても作業のペースとしては、
1日に3本か4本という具合で、
2万本全部というのは
実際には無理に等しい。

さらに
山の中には、
個人が持つ私有林が多く、
行政といえども、
所有者の同意がなければ、木は切れない上に、

所有者を特定するための便りとなる唯一の公図は、
明治時代の地租改正時に作成されており、
その多くは
情報更新されておらず、正確さに欠けている。

つまり、
その公図の所有者を特定する線引きが実態と異なる例が多いという。

木を切ろうにも、
線引きが曖昧過ぎて、
境界線のどちら側の
人のものかが特定できず、
結果、
その両方から了承を得るが故に
当然、時間が掛かり、
作業が進まないという事もある。

国は1951年から
地籍調査で
森林の所有者の確定作業を進めているが、
未だ私有林の半分以上が未確定と言われている。

まず、
ナラ枯れを防ぐには、
人間が木を適切に間引くなど、
山の手入れを定期的にやっていくしかない。

それをビジネスに繋げて上手くやるしかない。

で、
すでにナラ枯れしてしまったものは、
地道に処理をして、
これ以上作業を拡大させないようにする。

そして
所有者のわからないナラ枯れした木は、
所有者が誰かをいちいち決めてもいいんだけど、
そうやるよりも、
ナラ枯れした木は、
いかなる所有者のものでも、
被害拡大を防ぐために
行政が処理できるという法律や条例を、
作ってしまえばいい。

それの方が手っ取りばやい。

これ以上の被害が拡大しない事を望む。

ページ上に戻る


inserted by FC2 system